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■EUROPE Greece 2005/4/1

ギリシャではスピード違反にご用心!

2005年4月のギリシャ出張では2度もスピード違反で捕まった。といっても僕は助手席の乗っていたので罰金を負担した訳ではなかったが。海外でスピード違反で捕まるという経験はいままで一度もなかったので、1週間という短い出張の間に捕まるという経験を2度もしたということがなんだか不思議な気がする。ギリシャが特別警戒の厳しい国だとも感じなかったのだが。2回とも運転者は違っていたのだが、どちらも僕を乗せてビジネスではなく観光地に向かう途中で、遠い日本から来た来客をできるだけたくさんの観光地に連れて行ってやりたい、という親切心からきたスピードの出しすぎであったので、本当に申し訳なく感じている。

日本では、5, 6人の警察官が持ち場について、ある者は茂みに隠れてスピードを計測し、ある者は大きな旗を振りながら道に飛び出し、ある者はバンに待機して丁寧に状況を説明した上で書類にサインをさせるというのがお決まりのパターンである。そのなんとも重々しく手のこんだ取締り体制は、あ~ぁ~.. えらいことになったよ.. とこちらの精神的ショックを数倍に倍増させる。

ところがである、ギリシャの取り締まりはあきれるくらいにさっぱりしている。猛烈なスピードで走る車の前に、若いサングラスをかけた警官が小さなスピードガンを片手に、たったひとりで敢然と飛び出してくるのである。こちらはそれを見て、慌てて急ブレーキをかける。それはもう、危ない!ひいてしまう!というスリル満点の場面が展開する。警官は表情ひとつ変えず、目の前に止まった車におもむろに近づき車を横によせるように命令する。ドライバーが神妙な顔で車を降りて、警官のきる切符にサインするところはまったく日本と同じではあるが。

それにしても、たった一人でも十分なんだなぁ.. となんだか感心させられる。同時に、じゃぁ日本の警官はどうなんだぁ..!? こんな取締りに何人もの手を使わずに、益々増えている犯罪解決にもっと尽力すべきなんじゃないの!と心のなかで叫ばざるおえない。

もうひとつ感心したことは、この警察官が何故ここでスピードを出しすぎてはいけないのか、明確な理由を丁寧に説明したことであった。「郊外を過ぎて、ここから市街地に入る。スピードを出した車がそのままのスピードでこの街中に入ると本当に危ないんだ、だから事故が起こらないようにここでスピード違反の取締りを行っているんだ」とその警察官は説明したそうである。欧米人というのはそういうところでは非常に真面目である。ちゃんと明確で合理的な論理に基づいて行動するし、社会においては決してウソはつかない。それに比べて日本人は意外と、「そういうきまりだから」とか「みんなそうしているから」とかなんとも曖昧な村社会的な論理で行動する民族であると感じる。社会の中で自分達のいる集団を守るという目的の為に、決算をごまかしたり、平気でウソをついたり、そういうことをする民族であると思う。それを非難するという訳ではないが、僕自身はビジネスにおいては、実は、経験的に、日本人を含めてアジア人種よりも、欧米人の方がずっと信頼がおけ、付き合いやすい、と感じているのである。

ちなみに、2回ともドライバーは違ったのだが、2人とも、「ほらっ、実は今、遠い日本からきた客人を横に乗せていて、こうこうこういう事情でしかたなかったんだ.. だから何とか見逃してもらえないだろうか... 」と、すかさずできる限りの弁解をすることは決して怠らなかった。1度目はオリンピアに向かう途中。弁解は聞き入れられず罰金額は30ユーロ。「思ったよりも少なくて助かったよ... 」とのことであった。2度目はマラソン発祥の地、マラトンに向かう途中。この日は僕が日本に発つ日であったため、どうやら「飛行機の時間が..」という一言が功を奏し、見逃してもらうことができたようだ。

記者紹介

村上篤矢
Atsuya Murakami

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